3987名(全産業)が資格取得 「壁装」は年度内に試験実施へ

  • HOME
  • 3987名(全産業)が資格取得 「壁装」は年度内に試験実施へ

 
 昨年4月にスタートした特定技能外国人材受入事業において、さる5月29日、出入国在留管理庁は「特定技能1号」の資格を取得した外国人の人数を発表した。
 1年間で「特定技能1号」の認定を受けたのは、全産業合計で3987名だった。当初の初年度目標4万名と比較して約1割にとどまった。
 また、今回「特定技能1号」となった外国人のうち技能実習からの移行が全体の9割以上に当たる3663名、試験によって「特定技能1号」の資格を得た外国人は281名だった。
 全産業的に海外での試験がスタートできていない状態のため、技能実習からの移行が中心になった形である。
 さらに新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政府と海外諸国が入国制限を行っていることから、4月以降しばらくは海外での試験による「特定技能1号」認定は限定的になる見通しだ。
 さて、建設業においては3987名のうち267名が「特定技能1号」の資格を取得した。建設業についても、ベトナムで予定していた試験が、ベトナム労働局による送り出し機関へのガイドライン整備の遅れなどから実施が延期となったことで、ほとんどが技能実習、および特定活動外国人建設就労者からの移行となった。またエリア別には首都圏、中部、近畿など大都市圏に集中しており、地方都市では人数は少なく、18県でゼロという結果になっている。
 このように初年度は体制整備の遅れや新型コロナウイルスの影響などさまざまな要因から想定通りには進まなかった特定技能外国人受入事業であるが、それでも着実に前に進んできている。
 実際に日装連組合員でも技能実習からの移行によって「特定技能1号」の受け入れをスタートした企業も複数出ており、組合員以外からは「特定技能1号」認定者を雇用するため組合への加入希望も増加している。
 とはいえ、同事業が本格化するためには、やはり海外での試験実施が不可欠になる。
 現在、「内装仕上げ職種 壁装」においては、建設技能人材機構(JAC・才賀清二郎理事長)が、年度内にベトナム・ホーチミン市で実施すべく準備を進めている。
 現地の学校関係者を対象に実技試験デモンストレーションを今年2月に実施、その後は教育訓練に向けて、教育訓練カリキュラムの構築、自動糊付け機などの工具の準備、そして受験者募集などの準備を進め、来年に試験できるようにする予定である。
 ベトナムでの試験が実現すれば、周辺国を含めて多くの外国人材に「特定技能1号」への道が拓かれることになる。技能者不足解消に向けた施策として積極的に活用していきたい。