資金繰りやや改善

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 東京都産業労働局商工部では令和元年第Ⅲ四半期(7月~9月)の都内中小企業の設備投資、資金繰り等の状況をまとめた。それによると、設備投資はわずかに増加、採算状況はほぼ横ばいで推移、資金繰りはやや改善、雇用人数は二期連続で不足感が緩和した。

 ◎設備投資
 当期に設備投資を実施した割合は、20.7%。前期(平成31年4月~令和元年6月)の20.4%からわずかに増加した。来期(令和元年10月~12月)の設備投資の「実施予定」割合(後方4四半期移動平均)19.8%と、当期実績と比べて減少する見通しとなっている。
 業種別では、設備投資を「実施した」割合は、製造業24.9%(前期24.6%)、卸売業18.5%(同18.1%)小売業も14.0%(同13.9%)、サービス業24.0%(同23.6%)と全業種で増加した。
 来期の設備投資の「実施予定」割合は、小売業14.2%でわずかに増加が見込まれる。一方、製造業22.3%、卸売業18.0%、サービス業23.2%は当期と比べて減少の見通しとなった。

 ◎採算状況
 当期の採算状況を「黒字」とした企業割合マイナス「赤字」とした企業割合でみると、▲4.1(前期▲4.5)とほぼ横ばいで推移した。
 業種別では、卸売業は他の業種と比べて黒字企業の割合が37.7%(前期34.3%)と最も高い。一方、小売業は赤字企業の割合が49.2%(同44.5%)と最も高く、黒字企業の割合は14.2%にとどまる。規模別では、規模が大きくなるほど黒字企業の割合が高く、大規模では51.4%(同45.2%)を占めた。

 ◎資金繰り
 当期の資金繰り状況を資金繰りDI(「楽」マイナス「苦しい」)でみると、▲15.9(前期17.1)と前期に比べやや改善した。
 業種別では、卸売業▲3.9(同▲10.5)は6.6ポイント増加し大きく改善。サービス業▲13.3(同▲10.6)2.7ポイント減少し悪化した。製造業▲17.7(同▲18.0)と小売業▲32.6(同▲32.5)はほぼ横ばいで推移した。

 ◎雇用人員
 当期の雇用状況を雇用人員DI(「不足」マイナス「過剰」)でみると、18.3(前期19.9)と2期連続で不足感が緩和した。
 業種別に見ると、製造業(前期13.9)は4.4ポイント減少し低下、卸売業17.8(同20.5は2.7ポイント減少、サービス業28.4(同30.5)は2.1ポイント減少し共にわずかに低下した。一方、小売業18.3(同13.0)は5.3ポイント増加し大きく上昇した。
 規模別にみると、大規模27.4(同33.9)は6.5ポイント減少し大きく低下した。小規模は9.3(同10.7)とDI値が一桁台となった。