改善傾向続き、見通し横ばい
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東京都産業労働局商工部では、都内中小企業の11月の景況について昨年12月に調査を行い、まとめた。その要旨の一部を紹介する。
◎11月の景況
11月の都内中小企業の業況DI(業況が「良い」とした企業割合から「悪い」とした企業割合を引いた数値)は、前月よりプラス1ポイント改善した。
平成31年2月までの業況見通しDIは横ばいだった。
業種別の業況DIでは、製造業は大幅に改善したが、住宅・建築関連は11ポイント減少で大幅に悪化した。小売業およびサービス業はともに4ポイント減少でやや悪化した。
業種区分別の業況DIをみると、製造業では「材料・部品」14ポイント増加、「紙・印刷」および「衣料・身の回り品」ともに10ポイント増加し大幅に改善した。
業種別の業況見通しDIをみると、製造業、卸売業、サービス業はいずれもほぼ横ばいで推移した。小売業は2ポイント減少、わずかに悪化した。
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12月1日から7日までに回収した調査票に記入された自由意見の一部を紹介する。
<経済・景気動向について>
▽景気が良くなっているという話をよく耳にするが、実感できない(玩具・娯楽用品小売業)。▽報じられている景気の良さとはギャップを感じる(一般飲食店)。▽原材料価格の上昇により、メーカー各社が消費税の増税前に値上げを行い、景気が悪くなっている(陶器・ガラス・什器卸売業)。▽オリンピック関連に期待している(セメント・板ガラス卸売業)。
<業界の動向について>
▽下請企業の衰退により、今後の生産基盤の確保が難しくなりそう(ニット製衣服製造業)。▽業界全体の高齢化が進んでいる(なめし革・革製材料製造業)。▽問屋の廃業が多く、仕入が困難(男子服小売業)。▽業界全体が低調、年々撤退が加速している(楽器・CD小売業)。
<顧客・得意先について>
▽顧客の倒産、統合がさらに増加している(紙製品製造業)。▽海外顧客(特に中国)の割合が増え続けている(装身具・身の回り品卸売業)。▽廃業、業務縮小の得意先が出る中、なかなか新規取引の確保ができず売り上げが伸びない(塗料卸売業)。▽顧客の高齢化等に伴う来場者数の減(スポーツ施設提供業)。
<売上・収益について>
▽ここ数年、黒字で推移しているが売上が安定しない(情報通信機器製造業)。▽売上が昨年と比較して不安定(ボルト・ナット・ねじ卸売業)。▽金物・荒物、特に工具用品が落ち込んでいる(家庭用品・他什器小売業)。
<物価変動について>
▽品物の上代が少しずつ値上がりしている(文房具・事務用品卸売業)。▽商品の仕入価格が上昇している。販売代金への値上げ分転嫁が難しい。
<人材の確保・育成について>
▽電気工事関係の人材が集まらない(建築設計業)。▽若手人材の確保と現社員に対するキャリアアップおよび育成が必要。人件費増に伴う仕事の効率化を図る(セメント・板ガラス卸売業)。▽売上がを上げながら、人材を育成することには無理があり困難(機械設計業)。▽採用難。定着率も悪化している(警備業)。