中間層のマーケットが拡大し、日本式デザインも人気
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今や3億人を超えると言われる中国の中間層。それにともないインテリア市場は厚みを増している。
住宅がスケルトンで販売されるのが基本の中国では、各所に一般向けの住宅資材ショップがあり、住宅設備機器をはじめ、壁紙や床材、建具、カーテン、家具類といったインテリア製品がトータルで販売されているが、近年では中間層向けに海外ブランドを含めたハイセンスなモールも数多く存在している。
今回の上海出張では、そうしたモールの一つ「紅星美凱龍 濾南店」に訪問し、その中で店舗を構えるカーテン専門店を視察してきた。
「紅星美凱龍」は中国全土に約100店舗、上海市内だけで6店舗を構える巨大チェーン店である。一つひとつのモールも超巨大で、濾南店も地下1階から7階まで計8フロア構成となっており、ワンフロアに100店舗近いインテリア関連ショールーム幹を連ねるなど日本では考えられない規模となっている。
住宅設備機器、床材、家具、照明、外溝など資材別にショップがまとめられているが、カーテン専門店は2階の一角に約20店舗展開されていた。
それらカーテン専門店の特徴は、何といっても中国らしいゴージャスなテキスタイルが取り揃えられているところだ。ディスプレイではたっぷりとったドレープにトリミングとバランスでデザインされたスタイル展示が多く見られた。またほとんどのカーテン専門店において、壁紙もセットになって提案されていた。その多くがフリース壁紙だ。
これらメインで展示されるカーテンや壁紙は欧米ブランド品であるが、売場の奥に進んでいくと中国製品が中心となる。デザイン、質感も遜色なく、それらが欧米ブランド品の約半分の価格で販売されている。多くの専門店の戦略は、欧米ブランド品で誘い込み半値の中国製品で決めるというもののようだ。
そのもっとも分かりやすい事例が、「英国PT」という名称のショップである。 イギリスのエディター「PT」を前面に打ち出しつつ、店内はほぼ中国製品という構成だった。店員に聞くと、やはりPTは高くてあまり売れていないとのこと。
同様に「エルメス」の壁紙をウィンドーに展示するショップもあった。
さて、こうしたゴージャス感溢れるショップの中で、異質な雰囲気を醸し出していたのが「如意屋家居」というカーテン専門店だ。無地系のシンプルな生地に形態安定加工が施してある。ものすごい既視感に襲われたが、よくみると、なるほど店内の壁面にはウォッシャブルや防炎など日本の機能性マークが表示されている。日本市場に輸出する中国メーカーが運営するショップで、日本式カーテンを全面に打ち出していたのだ。
実は中国の中間層は、従来の中国的デザインではなく、シンプルさを求めるニーズも高まっているそうで、日本式カーテンはそのニーズに合致し着実に広がっているという。
注目はその販売価格である。日本市場では1窓1万円前後でクラスのカーテンだが、同ショップでは3~4万円で販売されていた。日本品質というブランド力も評価されているのだろう。
お隣の巨大市場に、このような市場が広がりつつある。日本のカーテン業界にとって、これはチャンスではないだろうか。
住宅がスケルトンで販売されるのが基本の中国では、各所に一般向けの住宅資材ショップがあり、住宅設備機器をはじめ、壁紙や床材、建具、カーテン、家具類といったインテリア製品がトータルで販売されているが、近年では中間層向けに海外ブランドを含めたハイセンスなモールも数多く存在している。
今回の上海出張では、そうしたモールの一つ「紅星美凱龍 濾南店」に訪問し、その中で店舗を構えるカーテン専門店を視察してきた。
「紅星美凱龍」は中国全土に約100店舗、上海市内だけで6店舗を構える巨大チェーン店である。一つひとつのモールも超巨大で、濾南店も地下1階から7階まで計8フロア構成となっており、ワンフロアに100店舗近いインテリア関連ショールーム幹を連ねるなど日本では考えられない規模となっている。
住宅設備機器、床材、家具、照明、外溝など資材別にショップがまとめられているが、カーテン専門店は2階の一角に約20店舗展開されていた。
それらカーテン専門店の特徴は、何といっても中国らしいゴージャスなテキスタイルが取り揃えられているところだ。ディスプレイではたっぷりとったドレープにトリミングとバランスでデザインされたスタイル展示が多く見られた。またほとんどのカーテン専門店において、壁紙もセットになって提案されていた。その多くがフリース壁紙だ。
これらメインで展示されるカーテンや壁紙は欧米ブランド品であるが、売場の奥に進んでいくと中国製品が中心となる。デザイン、質感も遜色なく、それらが欧米ブランド品の約半分の価格で販売されている。多くの専門店の戦略は、欧米ブランド品で誘い込み半値の中国製品で決めるというもののようだ。
そのもっとも分かりやすい事例が、「英国PT」という名称のショップである。 イギリスのエディター「PT」を前面に打ち出しつつ、店内はほぼ中国製品という構成だった。店員に聞くと、やはりPTは高くてあまり売れていないとのこと。
同様に「エルメス」の壁紙をウィンドーに展示するショップもあった。
さて、こうしたゴージャス感溢れるショップの中で、異質な雰囲気を醸し出していたのが「如意屋家居」というカーテン専門店だ。無地系のシンプルな生地に形態安定加工が施してある。ものすごい既視感に襲われたが、よくみると、なるほど店内の壁面にはウォッシャブルや防炎など日本の機能性マークが表示されている。日本市場に輸出する中国メーカーが運営するショップで、日本式カーテンを全面に打ち出していたのだ。
実は中国の中間層は、従来の中国的デザインではなく、シンプルさを求めるニーズも高まっているそうで、日本式カーテンはそのニーズに合致し着実に広がっているという。
注目はその販売価格である。日本市場では1窓1万円前後でクラスのカーテンだが、同ショップでは3~4万円で販売されていた。日本品質というブランド力も評価されているのだろう。
お隣の巨大市場に、このような市場が広がりつつある。日本のカーテン業界にとって、これはチャンスではないだろうか。