5年後を見据えての取り組みを 「技能実習制度」の活用がカギ
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現在、新たな在留資格「特定技能1号・2号」による外国人材の受け入れが大きな話題となっている。日装連としても、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)を、建設業23団体と共同で設立するなど積極的に取り組んでいる。
その一方で、日装連組合員にとっては技能者不足を実感しているものの、現時点では今すぐ外国人が必要なほどの切迫感はなく、また外国人を雇用することに現実味が感じられないというのが実情ではないだろうか。
しかしながら深刻な人手不足は確実に訪れる。しかもそれは目前に迫っているのだ。
この人材不足を具体的な数字で表してみると、現在の建設業就業者の年齢構成を踏まえて計算すると、2018年度の約329万人が5年後の2023年度には約326万人に減少する。一方、建設業の働き方改革(週休2日など)の進展を踏まえて必要となる就業者の推計は2017年度の約331万人から6年後には約347万人に増加する。つまり5年後には建設業全体で21万人が不足することになる。
この不足分21万人に対し、働き方改革や処遇改善により1~2万人の就業者を確保、さらに建設現場の労働効率化を年1%向上させることにより5年間で約16万人分の労働力を吸収する。
この取り組みを実施してもなお不足する3~4万人の人材を外国人材でおぎなうという考え方が、特定技能外国人材受入事業なのである。
内装業界も、数字のベースは違うものの問題の深刻さは同じである。つまり、処遇改善や働き方改革と同レベルで外国人材の活用を考えなくてはならないのだ。
さて、日装連組合員が「特定技能1号」の外国人を受け入れる方法は大きく2つある。1つ目は海外でJACが実施する試験に合格した外国人を雇用する方法だ(厳密にはJACによる試験前の教育訓練を受けるケースと試験のみを受験するケースに分けられる)。
もう一つが技能実習2号修了者等(試験免除)を「特定技能1号」として受け入れる方法だ。
この2つのうち、より日装連組合員にとって現実的な方法といえるのが技能実習2号修了者等の受け入れだろう。
内装業は最終仕上げのため繊細な作業が不可欠である。それには知識や技能の蓄積が重要で、いくら一定の技術を有した外国人であってもいきなり即戦力というわけにはいかないのが現実だ。
それならば、自社で技能実習生として経験を積んだ外国人に、「特定技能1号」として引き続き在留してもらった方がいい。あるいはすでに帰国した技能実習生に再来日を促した方がいい。
また一から取り組む場合でも、まずは「技能実習制度」を入口にして、技能実習2号を修了後に「特定技能1号」に移行するという「技能実習制度」と「特定技能1号」の組み合わせが有効ではないだろうか。
ちなみに受け入れるための受入負担金(給与、社会保険以外に必要)は、試験合格者(教育訓練有り)2万5000円/月、試験合格者(教育訓練無し)1万5000円/月、試験免除者1万2000円/月。支払先はJAC。
遠い未来の問題ではなく、目前に差し迫った危機として真剣に取り組みを検討したい。
特定技能外国人材受入事業に関するお問い合わせは、
一般社団法人建設技能人材機構(JAC/電話03-6453-0224)担当・東郷清次郎氏まで。