アスベスト事前調査の基本|インテリア業界NEWS

みなし工事の勘違い
アスベスト事前調査で求められる正しい理解

アスベスト事前調査の基本について

書面調査・現地調査(目視)は必ず行う工程

石綿(アスベスト)事前調査では、まず「書面調査」「現地調査(目視調査)」を実施し、その上で建材ごとにアスベストが含まれているかどうかを判断する必要があります。
しかし、実際の現場では図面の不足や建物の経年変化などが要因となり、調査だけでは判断がつかないケースも少なくありません。
そもそも危険物質の「含有なし」を証明することは非常に難しく、「不明」という判断に至る場合も多く見られます。


みなし判定とは何か

判断できない場合にのみ用いられる方法

アスベスト含有の判断が困難な場合には、主に2つの対応方法があります。

  1. 建材の「試料採取」を行い、その結果を専門機関で「分析」する方法
  2. 判断がつかない建材を「アスベスト含有あり」とみなすみなし判定を行い、十分な安全対策をとったうえで工事を進める方法

    現場のスケジュールや費用面を考慮すると、「みなし判定」を選択するケースが多い傾向にあります。
    しかし、この“みなし”に関して、業界内では誤った理解が非常に多く見受けられます。


よくある誤解について

みなし工事でも調査を省略できるわけでは無い

特に多い誤解として、「最初からアスベストが含まれるものとして扱えば、書面調査や現地調査を省略しても良い」という認識があります。
しかし、これは大きな誤りです。
みなし工事とは、書面調査・現地調査(目視調査)を実施したうえで、それでも判断できない建材について“含有あり”として取り扱う方法であり、調査そのものを省略できる制度ではありません。
省略できるのは「試料採取」と「分析調査」のみであり、「書面調査」と「現地調査(目視調査)」は必ず行う必要があります。
アスベスト関連規制|インテリア業界NEWS|株式会社サタケ|インテリア・内装・建材卸の総合商社


行政指導が2000件超え

みなし工事の誤解がもたらした影響

令和4年に環境省が実施した全国一斉パトロールでは、約2,000件以上の行政指導が行われました。
その背景には、この「みなし工事」に対する誤った理解が大きく影響していたとされています。
アスベストは適切に管理されなければ、施工者はもちろん、建物の利用者や周辺環境にも深刻な健康リスクをもたらします。
正しい知識と手順を踏むことは、建築・内装に携わるすべての事業者に求められる大切な責務です。


内装材卸業としてのサタケの見解

安心で適切な工事のために

私たちサタケは壁紙・床材・カーテン・ブラインドなど、空間を構成する幅広い内装材を卸売として取り扱っている日々の中で、
多くの施工業者様に商品をお届けする立場として、現場の安全管理や法令遵守がどれほど重要であるかを強く感じております。

アスベストへの理解が不十分な状態では、どれほど高品質な内装材であってもその性能を十分に発揮できません。
また施工者様やお客様の安全が脅かされることは、私たち卸売企業にとっても大きな問題であると考えています。
みなし工事に対する正しい理解が広まり、内装業界全体の安全意識と施工品質の向上につながることを願っております。


最新情報

厚生労働省が運営する「石綿総合情報ポータルサイト」では、アスベストに関する最新の法令、手続き、事前調査の方法などがわかりやすくまとめられています。
みなし工事や事前調査に関する詳細情報を確認したい方は、こちらの公式ページもご参考ください。
小規模工事等の着工前に必要な手続きについて | 石綿総合情報ポータルサイト

日装連新聞(第565号)より引用